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北京デザインウィークで講演を行ってきました

2016.10.03

去る9月27日に行われた中国の建築メディア3社が主催する北京デザインウィーク/人間的暮らし国際フォーラムに参加し、講演を行ってきました。グローバル・フューチャー・リビング・イノベーションを掲げるフォーラムで、世界15カ国からのデザイナーを招いてのイベントでした。主に建築関係者の集いで、見渡したところ景観デザイナーは私以外に見当たらず、この場に居て良いのだろうかとの戸惑いを感じながらの参加となりました。フォーラムには日本からは愛知工業大学建築学科で教鞭を執られている安井秀夫氏、名古屋で建築事務所を主催されニューヨークでも活躍されている伴尚憲氏、北京の三里屯PJを手掛け、今は大阪で建築事務所を主催されている京智健氏が参加されました。安井氏と伴氏は翌日28日の講演予定だったため、残念ながら私は聴講せずに帰国の途についてしまいましたが、当日は北京の伝統住宅・胡同のイノベーションなどを盛り込んだ京氏の講演を聴くことが出来ました。私は最近胡同に関係する業務に携わっていることもあり、京氏が講演された胡同建築の立体活用提案に興味を引かれました。

フォーラムの講演には中国での作品紹介として、私は深圳市で手掛けた漢京九榕台PJを取り上げました。大地のエネルギーを感じる風景、人と人の交流を誘う風景、五感に訴えかける風景の三つをテーマにデザイン手法を紹介し、イノベーションの中にも普遍的なデザインスタンスの重要性を訴えました。海外から30人のデザイナーが招かれ、二日間に渡り出番が振り分けられたフォーラムのため講演時間はわずか10分間でしたが、講演内容を単一PJとして短い出番の中でもコンパクトにメッセージを発信することを心掛けました。日本語を中国語に通訳してもらい、そして中国語から英語への同時通訳で、欧米からの参加者にどこまで伝わったのか不安ではありますが、写真やスケッチを主にした画像によるレクチャーで、なんとかメッセージが伝達出来たかなと思います。

フォーラムは世界的な巨匠建築家をはじめ、講演の多くは英語のヒアリングでした。英語能力に欠ける私は映像と雰囲気からメッセージを感じる事に終始しました。メディアのインタビュー取材で誰の講演が印象的だったかとの問いには、大地のエネルギーを建築に伝え、ランドスケープとの関係にこだわりを持ち建築を表現しているフィンランドの巨匠Pekka Salminen氏の作品が印象深かったことを伝えました。英語が解らず映像からのみの感想ですが、映像だけでも建築が発するメッセージを感じることが出来ました。

フォーラムは世界各国からの集いということもあり、私は決死の覚悟で英語による交流に挑戦してきました。専門的な会話は殆ど出来ず大汗をかきながらの片言英語とスマイルフォローで乗り切る戦法で、日本のランドスケープ事務所の存在を懸命にPRしてきました。そのお陰で日本語を上手に話すポーランド建築家と遭遇し思いもよらない交流も出来ました。

額に汗し、手に汗握る海外交流でしたが、フォーラムを通じ欧米デザイナーとの交流の場に参加できたことはグローバルな時代の今を実感するとても良い経験となりました。そして英語力の向上は私の重要課題であることも強く実感したフォーラムとなりました。

吉澤力

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