[本文はここから]

ときわ動物園がグランドオープンしました

2016.08.01

当社がランドスケープの設計を担当しましたときわ動物園が3/19にグランドオープンしました。

ときわ動物園は、山口県宇部市、ときわ公園内にある市営の動物園であり、1964年から当地で運営されてきました。施設の老朽化等に伴い、大阪芸術大学の若生教授指導のもと動物の生息地の環境を再現する「生息環境展示」を軸に全面改修を行いました。リニューアルに際し従来型の配置計画から、動物の生息域毎にゾーンを大別することで、動物が暮らす自然な環境を再現し行動を引き出すことを最大の目標に据えました。我々はそのうちの2ゾーンの設計を担当しました。

「中南米の水辺ゾーン」では、コモンリスザル等が生息するアマゾン川流域とカピバラ等が生息するパンタナール湿原の風景の再現を行いました。動物園に隣接する常盤湖の水を利用した循環型の池を設け、その池を介し、サルの住む浮島に渡るイカダや、当地の家屋を模した動物の寝室、湿原に住むカピバラとジェフロイクモザルを同時展示する為の起伏や、アマゾンの熱帯性を感じられるような華やかな植栽など、多岐に渡る風景の展開を狙いました。

「山口宇部の自然ゾーン」では、地元の名所である吉部の大岩郷を思わせる大きな岩場をケージ内に構成し、その森に住むニホンザルやホンドタヌキなどの生息環境を展開しました。日本の里山風景をいかに動物展示に馴染ませるか、が課題となりました。

また動物園後半には自然木を活かした自然の遊び場を整備しました。既製品の遊具を用いず全てオリジナルで構成されたこの遊び場は、従来の公園とは異なった遊びが体験できる空間となりました。

動物園の設計は従来のランドスケープのデザイン手法とは大きく異なったアプローチをとる必要があり最初は戸惑いの連続でしたが、生き物の生息環境をつくる、という点においてはこれまでの経験が発揮できるプログラムでもありました。生息環境の整備とは、動物園内の整備に留まらず、自然の生態系及びそこに暮らす人々の環境を整えることにもつながります。地球に生きる全ての生命がよりよい環境を享受できるよう、今後も邁進していきたいと感じたプロジェクトでした。

堀井大輔

[ここからはカテゴリ内ナビゲーション]

NEWS

  • 株式会社 戸田芳樹風景計画
  • 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-36-1ミユキビル3F  Telephone:03-3320-8601 / Facsimile:03-3320-8610
  • COPYRIGHT © Yoshiki Toda Landscape & Architect Co.,Ltd. All Rights Reserved.