「地球市民交流センター」のオープニングセレモニーに参加しました
2010.10.01
2010年10月1日に、「地球市民交流センター」のオープニングセレモニーに参加しました。
地球市民交流センターは、愛・地球博の北ゲート周辺跡地に、「交流」と「環境」をテーマに地球博の理念と成果の継承を発展する核として、また、市民参加・交流活動の拠点として設立されました。
地球市民交流センターは利用者である市民が使い方を決める、スケルトン・インフィルの建築物として計画され、非常に柔軟性のある建築物です。
また、複数のアート作品が展示されており、それらは全て、環境問題に対するメッセージが含まれているものになっています。
当社は2007年に行われたプロポーザルから一貫してランドスケープの設計を担当してきました。
愛・地球博の跡地である愛地球博記念公園は、長久手の山々に囲まれ、非常に緑豊かなランドスケープに囲まれています。
この丘陵は元来非常に悪条件の土壌を100年かけて修復し、森を育ててきた歴史があります。
本計画も、植物にとって悪条件であるコンクリートの人工地盤上に新しい丘をつくりあげ、周囲のランドスケープと調和させることを目標としました。
建築躯体が緩やかなシェルスラブ形状となっている為、そこに金網と透水マットによる土留めを設け、土壌の流亡を防ぐと共に表面排水を土中に引き込むよう計画しています。
施工当初は例年に比べ非常に雨が多く施工者は大変苦労していましたが、土壌を敷き均した後は、ずれや流亡も少なく安定した形で落ち着いています。
植栽計画としては、デザインコンセプトを「風」として設定し、オーナメンタルグラスを主体とした植栽によって風の流れを表現しています。春の新緑や秋の稲穂など、刻々と変化する草原の丘は、いつ見ても楽しめるものとなっています。
施工途中からミミズが顔を出したり、コオロギの鳴き声が聞こえたり、鳥が草の影に産卵したりしていました。
今後、どのような生物がこの人工地盤上に集まり増えていくか、5年、10年と経過を追っていくことも非常に楽しみな空間となっています。
総合アドバイザー 涌井雅之
設計・監理 山下設計
設計・監理アドバイザー 塚本由晴 貝島桃代 桑原立郎
外構設計・監理 戸田芳樹風景計画
堀井大輔