社内研修in上海−EXPO2010編その2−
2010.09.25
旅行2日目、今回の主要な目的の一つである上海万博に行ってきました。
上海万博は,上海の市街地中心を流れる黄浦江の再開発エリアを会場とし,黄浦江に沿った両岸4km,敷地面積328haとこれまで行われた万博最大の規模とのことでした。
そんな万博で、中国を肌で感じ、日本との違いに戸惑い、驚き、刺激的な一日を過ごしました。
当日は、主に各国パビリオンが展開されている浦東地区(東岸)を中心に回りました。
多くのパビリオンは2〜3時間待ちの人の行列で取り囲まれ,特に人気の高い中国や日本などのパビリオンは6時間待ちの人だかりでした。
簡単に入ることも出来ず,主に会場内を散策していました。
各国のパビリオンは,通りがかりに見るだけでも,色彩や素材感,意匠,構造など趣向が凝らされていて,新鮮で刺激的でした。
また気になる意匠や興味をそそられるものがあると寄っていってディテールを確認したりして楽しみました。
特に中国館は,この万博を象徴する建物として,中国の国力を誇示する建物として象徴的で存在感を示していました。
各国パビリオンにおいても建物イメージの再現性の高さは,最近の中国の技術力の高さを感じました。
その一方で、各国パビリオンに併設されている休憩所やフードコートは、簡素な作りで味気ないものでした。また、階段の蹴上に穴が空いていたり、仕上げの粗さが目に付きました。
パビリオンの周りの修景も必要最低限と言う感じで、舗装についても不陸が目立ち、仮設店舗などへ引き回したケーブルカバーがいたる所で舗装を横断し、周りに気を取られ歩いていると躓いてしまう状況でした。
会場でもう一つ戸惑ったことがありました。中国の人と日本人の違いです。
比較的空いている人の進みの良いパビリオンに入ったとき、後ろから来た中国人の来場者に突き飛ばされました。
その後もその人たちは、人を押しのけながらどんどん前へと進んでいっていました。
その後もちょっとでもスキを見せると追越されるケースがあり、このような人々は会場のいろんな場所で見られ、中国には並んで待つ習慣がないのだと痛感させられました。
また、パビリオンの待ちあいルートや会場内のいたる所にゴミが捨てられていました。
これは会場に限った話ではなく、中国の街角でも良く目に付きました。
万博のテーマである「Better City Better Life」の実現のためには、まずは中国の人々の生活習慣を改めることにあるのではないかと思いました。
それでも悪い印象ばかりではありませんでした。中国人の来場者の方々の記念撮影は、老若男女問わずみなさんモデル張りのポーズをとってカメラに納まっていました。
最初見たときは戸惑い、失笑したのですが、今思い返すとみなさん本当に良い顔をされていました。
中国の人々にとって、この万博はハレの場なのだと気付かされました。
広い会場に圧倒されながら歩き回り、中国の人々の洗礼を受け、また昼に食べた四川料理でこれまでに体感したことのない痺れる辛さを舌に受け、心身で中国の力強さや奥深さ、違いを体感させられた一日でした。
古賀健一